管理本部
本部長・北國 政則インタビュー

考える管理部門を目指す
プロフィットセンターの業務経験あるメンバーが、各部門を支援。
ベルチャイルド管理本部が志向する、さらなる業務の改革。
どんな企業も必ずといってよいほど有する、管理部門。ベルチャイルドの管理本部は、総務部、人事部や経営企画室など、企業経営の全体から個々の社員のサポートまで、幅広い業務を担っています。本部長の北國政則が理想とするのは、「考える管理本部」への変革。その詳細を見ていきましょう。
プロフィットセンターを支える人材たち

2023年に設立23年を迎えたベルチャイルド、今では管理部門(人事、総務、技術推進、リスク管理、中計推進、経営企画)という部署ができ、それぞれが機能していますが、それは設立後20年以上かかったということです。
「当社が設立してまもない時期、2000年代初頭は、社長の藤田(好邦)はじめSE(システムエンジニア)ばかりのメンバーでしたので、本来、管理部門が行う仕事はSEたちが仕事の終わった夜とか月末とかにしていました。ただ、少しずつ事業が拡大していき仕事が増えていくと、当然、それでは回らなくなっていきました。
そこで設立から3年が経った頃、事務を専門に担当する社員を採用しました。事務担当といってもプログラマー経験のある人です。また、それから3年後には総務を担当する社員を採用しました。その人もITインフラ構築の経験者です。
設立後10年目くらいまでの管理本部メンバーは間接業務の専門家ではありませんでした。
機器の評価を行っていた者、プログラマー、工業デザイナーなどさまざまな職歴を持ったメンバーでした。
ですから労務や業務管理、広報など手探りで進めていきました。管理本部の骨格ができたのはこのころではないかと思います。
それからも期待を込めて、プロフィットセンターのSEを人事や経営企画へ異動していきました。そして、前職で経理や管理業務を経験してきた方も増え、全員で管理本部を支えてくれているおかげで今の体制になりました。
このように、ベルチャイルドの管理本部の強みは、開発の現場のことをよくわかっている人材が多いことです。現場のことを自分事として考えサポートすることができ、事業の推進に寄与できているんです」(北國政則)
一方で、こうした強みが弱みにもなっている点が、本部長である北國にとっては悩みの種だとも。
「開発の現場のことがわかっているから、管理本部のメンバーは仕事をやり過ぎてしまうきらいもあります。つまり、サポートし過ぎてしまうんです(笑)。こうしたことを減らすよう、業務を定型化、標準化していくことが今の課題だと思っています」
急転直下の在宅勤務態勢・・・そのときベルチャイルド管理本部は?

2020年1月に日本国内の初感染者が出て以来、3年超にわたって人間の健康を脅かした新型コロナウイルス感染症。同年5月には緊急事態宣言が発出され、社会的な混乱もありました。
そして、この事態への対応に悩んだのは、ベルチャイルドも同じでした。
「家に持ち帰って仕事をすることは、それまで考えられませんでした。私たちが扱うのはお客様の機密情報も含まれているからです。そのお客様から自宅で仕事をしてほしいといわれるのは、正直なところ難しく感じた側面もあります。しかし、当社のお客様は大手企業が多いので、安全に在宅勤務できる環境はすぐに構築されました」
ベルチャイルド管理本部が行ったのは、管理部門の仕事を自宅でもできる環境と制度づくりです。
「楽観的な声もありましたが、『これは長引くな』と感じましたね。なので、情報管理、安全性を担保しつつ各社員の自宅で会社が貸与したパソコンからサーバーにログインできる環境を構築しました。サーバーに入っても、そこにあるデータはダウンロードできないようになっています。情報システム担当者には苦労してもらいました。
コロナ禍以後、管理本部も含めてベルチャイルドの社員はリモートで仕事ができるようになっています。情報セキュリティ対策を万全に整えるだけでなく、定期的に社員への教育を行いリスク意識を徹底しています」
2023年には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行し、社会情勢も落ち着きつつあります。こうした状況下で管理本部として行うのが、在宅勤務環境の点検・強化と、在宅と出社のバランスをとることです。
「この状況が始まって3年、緊急回避的に始めた在宅勤務ですが、『ルール』を再確認し、制度の完成度を上げていく時期だと思っています。事業継続を考え、どんな状況でもコアな業務が滞らないようにする必要もあります。また、在宅勤務に適した評価制度や人事制度も必要と考えています。
私個人としては出社したほうがやりやすいんですが(笑)、そういうわけにはいかないので出社と在宅勤務の比率を考えることも大切ですね。もちろん、新卒者、若い社員は見て学ぶことも大切なので、できる限り出社してもらうようにしています」
どのように社員を大切にするか
ベルチャイルドは、次のような企業理念を掲げています。
“我々の働きがお客さまの幸せでありたい
我々の働きは社員の幸せでありたい
我々の働きが社会の幸せでありたい”
顧客、社員、社会といったステークホルダーに寄与していく姿勢を示すものですが、これについて北國はこう話します。
「社員のみなさんが安心して働ける会社と感じ、幸せになってもらうことが管理本部の仕事だと思っています。では、どうすれば安心できるか? やはり、お給料というのが特に大切でしょう。また、お休みを取れる環境や福利厚生も大切です。対外的には、法令順守や各種認定(プライバシーマーク、ISMS、女性活躍リーディングカンパニーなど)も安心材料でしょう。
社員それぞれも、そして会社も利益を得るという点では、スキルアップも必要ですよね。だから、そのための研修や次世代リーダーの発掘・育成なども行います。こうした社員の安心、幸せを『縁の下の力持ち』として支えていくのが私たちの仕事です。
安心、幸せを感じる社員が一生懸命進めた仕事は、必ずお客様に満足していただけるはずです」
社員それぞれも、そして会社も利益を得るという点では、スキルアップも必要ですよね。だから、そのための研修や次世代リーダーの発掘・育成なども行います。こうした社員の安心、幸せを『縁の下の力持ち』として支えていくのが私たちの仕事です。
安心、幸せを感じる社員が一生懸命進めた仕事は、必ずお客様に満足していただけるはずです」
ベルチャイルドに限らず、少子高齢化による人手不足やデフレ脱却と関連する賃上げなど、すべての日本企業が「人を大切にする」姿勢を求められています。では、ベルチャイルドの場合はそれをどのように実現していくのでしょうか?
「1つは、女性が活躍できる環境を整えていくことが挙げられますね。
10年前のベルチャイルドには女性が求人に応募してくることは非常に少なかったのですが、今では女性社員の割合が大幅に上がりました。今後は女性の管理職がいるのが当たり前の状況になればと思っています。
それともう1つ、シニア世代にも活躍していただきたい。ベルチャイルドで定年まで働いてくださった方はもちろん、他の企業を定年された方なども積極的に採用していきたいと考えています」
業務処理だけでなく「仕事を考える」管理本部を目指す

創業以来、成長を続けているベルチャイルド。今後も、さらなる成長を目指し挑戦していきますが、そのためには組織の変化も必要です。
「会社全体の人の数が増えたら、私たち間接部門の人員も増やせばよいかというと、それは違います。もちろん、一定の人員増は必要ですが、効率を考える、属人的な業務をあらためるといったことを行わなければなりません。せっかくプロフィットセンターが稼いでくれたお金を、社内的な業務処理に使うのは生産的ではないですから。
具体的には、やはり可能な限り業務を定型化していくことです。定型化した業務は必要に応じてアウトソーシングすることも考えられます。
そして、管理本部のメンバーはさらに知識やスキルを磨き、判断業務や効率化向上の検討、新たな企画など、さらなる成長を目指すことに注力できればと考えています」
その上で、管理本部のメンバーはそれが必ずできる、と北國は断言します。「管理本部には、やる気のある熱い心を持ったメンバーが集っています。たとえば、2023年6月に給与の改定をしたのですが、経営陣や社員との難しい話し合いをしながら、制度を作り上げてくれました。あるいは、企業型確定拠出年金を導入するときも、保険会社と交渉し制度を作る、といったこともありましたね。自慢のメンバーです」
北國自らが「コストセンター」というように、管理本部は自分たちだけで会社の利益を上げられるわけではありません。しかし、プロフィットセンターのメンバーが収益を得る仕事をするのになくてはならない存在なのが、管理本部なのです。
Profile

株式会社ベルチャイルド 管理本部
「人事部」「総務部」といった経営資源を管理する部署から、「経営企画室」「中計推進室」といった企業経営を推進する部署、
「技術推進室」「リスク管理室」といった技術に関連する部署など、さまざまな性格を持った部署を内包する本部。
北國 政則
株式会社ベルチャイルド 管理本部 本部長