ローコード技術を用いたRPAの取り組みへ
ベルチャイルドでは「夢計画」というベルチャイルドの夢を一つずつ実現するための取り組みを行っています。
保険IT推進室では、保険システムの業務効率化の一環として、RPAの技術を調査・学習を行うことを夢計画の目標として掲げました。
一部の定型業務に対しRPA化を図ることにより、業務効率化・実務改善につながるのではないかという考えのもと、調査を行い、将来的には学習した技術を用いて現場や自社の事務業務効率化を行い、働き方改革へとつなげていきたいと考えています。また、今までの活動内容を情報発信することで、皆様のお役に立つことができれば幸いです。
昨年度の取り組みをご紹介します。
次回以降は、項目ごとに少し掘り下げてご紹介したいと思います。
昨年度の取り組みをご紹介します。
次回以降は、項目ごとに少し掘り下げてご紹介したいと思います。
<2020年度(1年目)の取り組み内容>
- RPAの学習・調査
- RPAの特徴
- 開発環境に即したRPAツールの選定
- チームメンバー各員の簡易ツール作成
- 課題と来年度(2021年度)への取り組み目標
<2021年度(2年目)の取り組み内容>
2チームに分かれ、Power Platformを用いた業務支援ツールを作成
<2022年度(3年目)の取り組み内容>
セキュリティチェックのツールの実用化
RPAの学習・調査
開発環境に即したRPAツールの選定
RPAについて調査したうえで、どのツールを使用し開発を進めていくのか検討し、「Power Automate」「Power Apps」を使用することに決定しました。理由としては、常駐先で「Microsoft365」を使用していることから、「常駐先環境で使用できる」ということで、より身近な業務をRPA化することで目標が明確になり、取り組むきっかけになると考えたからです。
Power Automate・Power Appsを選定した理由としては以下の3つです。
- Office製品(エクセル等)との親和性が高い。
- 常駐先の環境で使用できるツールが制限されており、O365関係のツールをメインで使用しているため。
(Power Platform自体も一部の機能が制限されている) - 上記[2]の理由から、Power Platformに関する知識を有してると常駐先で活躍できると考えたからです。
【ツール案紹介】 Power Automate・Power Appsの特徴
Power Automate・Power Apps・Power BI・Power Virtual Agents の4つのサービスを総称して「Power Platform」といいます。
Power Automate・Power Appsを用いた開発の強み
- 各種サービスとの連携が可能(特にOffice製品との連携が容易)
- テンプレートの使用および、テンプレートからの学習が可能
- ローコードでの開発が可能
チームメンバー各員が定例業務の簡易ツール作成
まずはツールに慣れるため、週に1回の勉強会と月1回の報告会を行いました。勉強会では、Microsoft公式のPower Automate・Power Appsの使用方法の情報サイトを閲覧し、実際に操作してみてどんなものが作成できるのか、また実現できないことは何なのか?を確認しました。
報告会では各員の進捗具合や課題について共有しました。さらに、それらをもとに今後の方針を決定し、翌月の勉強会の内容を決定しました。
次回からは、報告会で持ち寄り、話し合った案についてご紹介したいと思います。
報告会では各員の進捗具合や課題について共有しました。さらに、それらをもとに今後の方針を決定し、翌月の勉強会の内容を決定しました。
次回からは、報告会で持ち寄り、話し合った案についてご紹介したいと思います。
【ツール案紹介】 スケジュール管理についてのツール作成の取り組み
勉強会で作成したツールと、判明した課題についてご紹介します。
作成したツールは以下の2点です。
作成したツールは以下の2点です。
a.スケジュール設定ツール(Outlook)
- ネットの作成例を基に、自身のスケジュールに予定を追加、削除するツールを作成
- 記事のとおりに作成したがコードの記述内容が理解できていないため、応用が難しい
(多人数のスケジュールに予定を追加など) - 実際の業務で使えるレベルにするためには、どれぐらい工数が必要か見通せない
b.タスク管理ツール
- 前述のスケジュール設定より、基礎よりの情報をネットで検索しツール作成に着手。
入力内容をリスト化し、優先順にソートする機能などを盛り込んだツールを目指す
(案件ごと、締切ごとにタスクの優先度を一目で見れるようなリスト) - 記事の筆者と環境が異なる点から、同様には作成できず代わりとなる手法がないか
模索中(SharePointでのリスト作成不可→OneDriveにExcelで表を作成、など)
【ツール案紹介】 事務メール作成用RPAツール作成の取り組み
テレワークが導入され、出勤報告もメールで行う必要があったため、デモ版として、出勤報告メールを作成し実運用していました。
ポータルサイトとして機能をメンバーと共有することで、品質向上を狙います。
ポータルサイトとして機能をメンバーと共有することで、品質向上を狙います。
業務メールをRPA化することの狙い
現在、各種申請書類の申請が電子化(メール作成)しており、フォーマット、申請経路等が定められている。
⇒申請経路の提示、雛形作成をRPA化することで、手順確認の手間の削減する。
(新規参入者・後進者の作業支援にもつながる)
具体的な実現方法
- 申請内容を選択
- 申請内容にあわせ、必要情報入力欄を展開
- 入力内容に合わせ、申請フローおよび注意点、 メール内容を画面表示し、送信ボタン押下でメール送信する
【ツール案紹介】ポータルサイト作成の取り組み
【ツール案紹介】 その他、あれば便利だなと思うツール
1:出勤・退勤のタイムスタンプ機能
- デスクトップのアイコンをクリックするなどの簡単な操作で自分のスケジュールに出勤・退勤の履歴を残せる機能を構築。
- 後日「週末・月末など」にその内容をスケジュールから抽出して一覧「エクセルの表」に纏められる機能を構築。
2:タスク機能の有効活用
- WBSとスケジュールのタスク機能の融合。
WBSの反映がスケジュールのタスク入力でできればより。
3:ショートカットの作成機能
- OneDriveでいつも迷子になるので、見れるフォルダを階層で表示する機能が欲しい。
- 自分がアクセスした経緯とかも残して、すぐみれるようになればよい。
- ファイル検索機能も合わせて搭載したい。
4:マニュアル類
- ワード文書をPower Appsで表示・検索できるようにする。
- マニュアル類をもっと見やすくしたい。
5:タスク管理
- リストという機能を利用して管理業務をリスト化するようなものを作成。
- リスト化>Power Auutomateなどに連動することができる。
- 期限が来たときに対象者あてにメールをするというところを自動化しようとしている。
課題と来年度(2021年度)への取り組み目標
2020年度の課題
- RPAの実務上の取り組み可否についてさらに検討が必要。
- 常駐先の権限に制限があるため、制限範囲内での設計が必要。
- Power Appsは、個人(自宅)での自主学習は、ライセンス管理上難しい。
(個人ユーザーではなく、企業アカウントが必要) - ローコード開発ツールだが、関数の知識は必要。
- Power Appsに関する書籍が少なく、開発しながら不明点を随時メンバー共有している状態であり、回答が見つからないことがままあるため、進行が遅れている。
来年度以降に向けた活動
- 継続したPower Apps、Power Automateの学習を行う。
- 事業部内および、社内業務(総務等)でRPAが求められる事務作業をリサーチを行う。
- 1年目で学習した内容を生かし、RPA化したい業務のRPAツールの開発を行う。
- 取り組み内容、学習内容について発信を行う。
初年度である2020年度の取り組みは以上となります。
2021年度の取り組み
2チームに分かれ、Power Platformを用いた業務支援ツールを作成
【チームA】セキュリティ教育ツールの作成
【チームB】交通費申請の自動作成ツール
【チームA】セキュリティ教育ツールの作成
目的
常駐先での管理しやすいセキュリティチェックの実施
機能詳細(⇒求める効果)
- 視認性が高く、管理しやすいチェック画面の作成(Power Apps)
⇒チェック実施の容易化 - 実施時期をリマインド通知する(Power Automate、Teams)
⇒チェック実施の自動化 - 実施結果をデータ管理化(Excel化)
⇒結果分析の容易化
今後の展開
- テスト運用し、課題点の洗い出し、ブラッシュアップを行う。
- 顧客先での使用。結果報告。
【チームB】交通費申請の自動作成ツール
目的
社内用のWEB交通費申請の自動化。
在宅、出勤別の経費申請入力を、自動化することで勤務時間削減を行う
仕様詳細
勤務管理表から必要情報を取得し、交通費申請画面に反映する
Power Automate for Desktopで以下を実装
- 勤務管理表でPDF出力したデータをテキスト取り込みで値を取得上記で取得した値でCSVファイルを作成
- 作成したCSVファイルを利用し、社内用のWEB交通費申請の画面へ反映する
今後の展開
- テスト運用し、課題点の洗い出し、ブラッシュアップを行う。
- 無償版ではフローの共有ができないため個人でツールを作成してもらう必要がある。共有化の方針の検討が必要
2021年度の取り組みは以上となります。
2022年度の取り組み 【セキュリティチェックのツールの実用化】
2021年で取り組み実施していたセキュリティチェックをブラッシュアップし、本格運用に乗せた。
2021年度からの改善点
1.画面をPower AppsからForms(クイズ)への変更
画一的な画面になるため視認性が向上。
設問の反映が容易。
Formsの仕様で結果の円グラフ確認、Excel出力が可能。
以上の点から、Formsへの画面変更を行った。
2.リマインド管理のレベルアップ(Power Automate)
未実施の要員に対し、実施を促すメール送信を追加
管理者宛てに未実施、実施者への連絡を通知をTeamsに送信
完了日到来時に管理者に完了日到来の通知を送信
完了日到来後に次回の実施日設定を促す通知をTeamsに送信
(実施対象者、実施時期、実施状況はテーブルで管理・反映)
画一的な画面になるため視認性が向上。
設問の反映が容易。
Formsの仕様で結果の円グラフ確認、Excel出力が可能。
以上の点から、Formsへの画面変更を行った。
2.リマインド管理のレベルアップ(Power Automate)
未実施の要員に対し、実施を促すメール送信を追加
管理者宛てに未実施、実施者への連絡を通知をTeamsに送信
完了日到来時に管理者に完了日到来の通知を送信
完了日到来後に次回の実施日設定を促す通知をTeamsに送信
(実施対象者、実施時期、実施状況はテーブルで管理・反映)
実施結果
問題なく稼働中。未実施者の確認も容易となり、管理がしやすくなった。
今後も継続して使用を行い、セキュリティ対策に役立てる。
今後も継続して使用を行い、セキュリティ対策に役立てる。
2022年度の取り組みは以上となります。